「マスターリース」という言葉を見かけて、意味がよくわからなかった方も多いのではないでしょうか。不動産クラウドファンディング(不動産クラファン)のファンド情報には、「マスターリース契約あり」と記載されていることがあります。この記事では、マスターリース契約の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。読了目安は8分です。
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マスターリース契約とは?基本の仕組み
マスターリース契約とは、物件オーナーが不動産会社に建物を一括で貸し出す契約です。不動産会社はその物件を入居者に又貸し(転貸)します。
身近な例えで説明しましょう。あなたがリンゴ農園のオーナーだとします。収穫したリンゴを自分で売るのは大変ですよね。そこで、八百屋さんに「全部まとめて買い取って」と頼む。八百屋さんはお客さんにリンゴを売る。これがマスターリースのイメージです。
オーナーは入居者を探す手間がなくなり、毎月決まった賃料を受け取れます。一方、不動産会社は入居者から集めた家賃とオーナーへ支払う賃料の差額で利益を得る仕組みです。
マスターリース契約の登場人物
マスターリース契約には3者が関わります。整理すると次のとおりです。
| 登場人物 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 物件オーナー | 建物を一括で貸す | 不動産クラファンのファンド |
| マスターレッシー(不動産会社) | 一括で借りて転貸する | 管理会社・サブリース会社 |
| 入居者(テナント) | 実際に住む・使う | 個人・法人の借主 |
ここがポイントです。オーナーと入居者の間に不動産会社が入ることで、空室リスク(入居者がいなくて家賃が入らないリスク)をオーナーから不動産会社へ移せるのです。
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マスターリースとサブリースの違い
「マスターリース」と「サブリース」はよく混同されますが、見ている角度が違うだけで同じ取引を指しています。
| 用語 | 誰の視点か | 意味 |
|---|---|---|
| マスターリース | オーナーの視点 | 不動産会社に一括で貸すこと |
| サブリース | 不動産会社の視点 | 借りた物件を入居者に又貸しすること |
つまり、ひとつの契約をオーナー側から見れば「マスターリース」、不動産会社側から見れば「サブリース」と呼ぶわけですね。不動産クラファンでは、ファンドがオーナーの立場なので「マスターリース契約あり」と表現されます。
Q. サブリースとマスターリースは同じもの?
A. 同じ取引を別の視点で呼んでいるだけです。オーナーが「一括で貸す」行為がマスターリース、借りた不動産会社が「又貸しする」行為がサブリース。コインの表と裏のような関係です。
不動産クラファンでのマスターリース活用
不動産クラファンのファンドでは、マスターリース契約が「安定配当の根拠」になっています。その理由を見ていきましょう。
空室リスクを転嫁できる
通常の賃貸経営では、空室が出ると家賃収入がゼロになります。ファンドの場合、投資家への分配金が減ってしまいますね。
マスターリース契約があると状況が変わります。入居者がいなくても、不動産会社がオーナー(ファンド)に固定賃料を支払います。つまり空室の影響を受けにくくなるのです。
分配金が安定しやすい
固定賃料が入るため、ファンドの収入が読みやすくなります。収入が安定すれば、投資家への分配金も安定しやすいでしょう。「想定利回りどおりの配当が欲しい」という方には、マスターリース付きのファンドが向いています。
Q. マスターリース契約があれば安心?
A. リスクがゼロになるわけではありません。マスターリース会社の経営状態が悪化すると、賃料の減額交渉や契約解除の可能性があります。マスターリース会社の信用力も確認しておきましょう。
マスターリースのメリット3つ
メリット1:安定した賃料収入
最大のメリットは、空室や滞納に関係なく固定賃料が入ることです。入居率が80%でも100%でも、オーナーが受け取る金額は変わりません。
不動産クラファンの投資家にとっては、「分配金が予定どおり入るかどうか」に直結する部分です。安定感を重視する方にとって心強い仕組みですね。
メリット2:空室リスクの軽減
空室が出ても固定賃料が保証されるため、オーナーは入居者集めに頭を悩ませる必要がありません。賃貸経営の最大の不安要素が軽くなります。
たとえるなら、定額制のサブスクリプションサービスのようなもの。利用者(入居者)が増えても減っても、毎月一定額が入るイメージです。
メリット3:管理の手間がかからない
入居者対応、修繕手配、退去時の原状回復など、管理業務はマスターリース会社が担当します。オーナーは物件を一括で貸すだけなので、手間がほとんどかかりません。
不動産クラファンの投資家は元々運用に関わらない仕組みですが、ファンド運営者の管理負担が軽くなる点は間接的にメリットといえるでしょう。
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マスターリースのデメリット3つ
デメリット1:賃料が相場より低くなりがち
マスターリース会社はリスクを負う代わりに、相場より低い賃料でオーナーから借ります。一般的に、相場家賃の80〜90%程度が目安です。
つまり、満室経営ができるなら直接貸した方が収益は高いということ。安定性と引き換えに収益性が下がる点は理解しておきましょう。
デメリット2:賃料の見直しリスク
マスターリース契約の賃料は、通常2〜3年ごとに見直されます。周辺の相場が下がると、賃料の減額を求められる場合もあるでしょう。
「固定賃料だから永久に安心」とは限りません。契約期間や見直し条件を事前に確認することが大切です。
デメリット3:テナント管理に関与できない
入居者の選定や退去対応はマスターリース会社が行います。オーナーは「どんな人が住んでいるのか」を把握しにくいですね。
不動産クラファンの投資家は直接管理に関わらないため、この点はあまり気にならないかもしれません。ただ、マスターリース会社の管理品質が物件価値に影響する可能性はあります。
マスターリース付きファンドの見極め方
「マスターリース契約あり」と書いてあればすべて安心とは限りません。以下のチェックポイントを確認しましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| マスターリース会社の信用力 | 上場企業か、財務状況は健全か | 会社が倒産すると賃料が入らない |
| 契約期間 | ファンドの運用期間をカバーしているか | 途中で契約切れのリスク |
| 賃料見直し条件 | 何年ごとに見直されるか | 減額リスクの有無 |
| 解約条件 | 中途解約の条件は何か | 一方的な解約条項がないか |
難しく感じるかもしれませんが、まずは「マスターリース会社が上場企業かグループ会社か」を確認するだけでもリスクを減らせます。信用力の高い会社が引き受けているファンドは安心材料のひとつです。
マスターリース以外にもリスク対策の仕組みはあります。優先劣後方式と組み合わせているファンドなら、投資家保護がより厚くなるでしょう。
よくある質問
Q. マスターリース契約があると利回りは下がる?
A. 傾向としては下がりやすいです。マスターリース会社が相場より低い賃料で借りるため、ファンドの収入が減ります。ただし、空室リスクが軽減される分、「予定利回りどおりの配当を受け取れる確率」は高くなるでしょう。安定性と利回りのバランスで判断してください。
Q. マスターリース会社が倒産したらどうなる?
A. 固定賃料の支払いが止まり、空室リスクがファンドに戻ります。分配金が減額されたり、遅延する可能性があるでしょう。マスターリース会社の信用力は必ず確認しましょう。
まとめ|マスターリースは「安定重視」の投資家向け
マスターリース契約は、空室リスクをマスターリース会社に移すことで安定した賃料収入を確保する仕組みです。不動産クラファンでは、分配金の安定性を裏付ける重要な要素のひとつですね。
ただし、賃料が相場より低くなる傾向があり、マスターリース会社の信用力にも依存します。ファンドを選ぶ際は「マスターリース付き=安心」と思い込まず、契約条件やマスターリース会社の情報もチェックしてください。
リスク対策を総合的に理解したい方は、リスクと対策ガイドも合わせてご確認ください。これから不動産クラファンを始める方は、おすすめランキングでサービスを比較してみましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の助言や推奨を行うものではありません。
※投資判断は自己責任で行ってください。
※掲載情報は2026年3月時点のものです。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
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