用語集

マスターリースとは?賃料保証の仕組みとメリット・デメリット

マスターリース(一括借り上げ)の仕組みを初心者向けに解説。サブリースとの違い、空室リスク軽減のメリット、賃料減額リスクなどの注意点、不動産クラファンでの活用法も紹介します。

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マスターリースとは?賃料保証の仕組みとメリット・デメリット

「マスターリースって何?」「サブリースと同じ意味?」不動産クラウドファンディング不動産クラファン)の案件を見ていると、この言葉をよく目にしますよね。

空室リスクを軽減する仕組みとして重要な概念ですが、「保証」という言葉に安心しすぎるのは危険です。メリットとデメリット、両方を押さえておきましょう。

マスターリースをひと言で言うと「一括借り上げ」

マスターリースをひと言で言うと「一括借り上げ」
マスターリースをひと言で言うと「一括借り上げ」

マスターリースとは、管理会社が物件全体を丸ごと借り上げ、入居者に転貸する契約形態のこと。「一括借り上げ」「サブリース」と呼ばれることもあります。

イメージを図解するとこんな感じですね。

  • 通常の賃貸:オーナー → 入居者(直接契約)
  • マスターリース:オーナー → 管理会社(一括借り上げ) → 入居者(転貸)

管理会社がいったん物件を丸ごと借り上げるので、空室があってもオーナーには一定の賃料が支払われます。これは、友人に車を貸して「使っても使わなくても毎月◯円払うよ」と約束してもらうのに似た仕組みです。

不動産クラファンでは、投資家への配当を安定させるためにマスターリース契約を結んでいるケースが多いでしょう。案件詳細ページに「マスターリース契約あり」と記載されていれば、賃料収入が一定期間保証されていると考えてよいです。

ただし、後述する注意点も把握しておいてください。

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マスターリースの仕組みと保証賃料の目安

マスターリースの仕組みと保証賃料の目安
マスターリースの仕組みと保証賃料の目安

具体的にどんな流れで契約が結ばれ、お金が動くのか見ていきましょう。

  1. オーナー(または不動産クラファン事業者)が物件を取得
  2. 管理会社との間でマスターリース契約を締結
  3. 管理会社がオーナーに毎月一定の賃料を支払う(保証賃料、つまり空室に関係なく支払われる固定賃料)
  4. 管理会社が入居者を募集し、転貸する
  5. 入居者からの賃料と保証賃料の差額が管理会社の利益に

保証賃料は、通常、想定満室賃料の80〜90%程度に設定されます。

項目 金額例
想定満室賃料(月額) 100万円
マスターリース保証賃料(月額) 85万円(85%の場合)
差額(管理会社の取り分) 15万円

管理会社は、入居率90%以上を維持できれば利益が出ます。逆に空室が多いと赤字になるため、積極的に入居者募集を行うインセンティブが働くわけですね。

契約期間は通常2〜10年程度です。ただし、見落としがちなのが「賃料改定条項」の存在でしょう。

「2年ごとに賃料を見直す」「市況変動時は協議の上改定できる」といった条項が含まれていることが多いんです。

「ずっと同じ賃料が保証される」わけではない点は押さえておきましょう。

マスターリースの3つのメリット

マスターリースの3つのメリット
マスターリースの3つのメリット

1. 空室リスクの軽減。最大のメリットがこれです。入居者がいなくても管理会社から一定の賃料が支払われるため、収入が安定します。

不動産クラファンでは、これが「配当の安定性」に直結するでしょう。インカムゲイン型(家賃収入で利益を得る方式)の案件では特に重要なポイントですね。

2. 管理の手間が省ける。入居者募集、契約手続き、クレーム対応、退去時の原状回復(入居者が退去する際に部屋を元の状態に戻す作業)…賃貸管理の業務は意外と多いものです。

マスターリース契約では、これらをすべて管理会社が担当します。不動産クラファンの投資家は直接管理に関わりませんが、「運営がスムーズに回りやすい」という恩恵を間接的に受けていますね。

3. 収支計画が立てやすい。賃料収入が固定されるため、収支のシミュレーションがしやすくなるでしょう。

「満室なら〇〇円、稼働率80%なら△△円」といった変動を考慮する必要がありません。不動産クラファンの想定利回り(運営会社が「これくらい儲かる」と見込んだ割合)の計算でも、マスターリースがあると精度が上がるでしょう。

見落としがちなデメリット・注意点4つ

見落としがちなデメリット・注意点4つ
見落としがちなデメリット・注意点4つ

メリットの裏には、当然デメリットもあります。正直、ここを理解せずに投資すると痛い目を見るかもしれません。

1. 賃料が割安になる。保証賃料は、想定満室賃料より10〜20%程度低いのが一般的です。管理会社の取り分がある以上、仕方のないことでしょう。

「空室リスクを取らない代わりに、リターンも低くなる」トレードオフですね。保険料を払って安心を買うのと似た考え方です。高稼働が見込める人気エリアでは、マスターリースなしの方が収益性が高くなることもあります。

2. 賃料が減額される可能性。意外と知られていないのが、マスターリースでも賃料が下がることがあるという事実です。

借地借家法(建物の賃貸借に関する法律)では、借主(この場合は管理会社)に賃料減額請求権が認められています。市況が悪化したり空室が増えたりすると、「賃料を下げてほしい」と交渉されるケースもあるでしょう。

過去には、サブリース会社が一方的に賃料を減額し、オーナーとの間でトラブルになった事例も報道されています。「保証」という言葉を鵜呑みにしないでください。

3. 管理会社の倒産リスク。管理会社が破綻したら、マスターリース契約は終了します。

2018年に起きた「かぼちゃの馬車」事件では、スマートデイズ社の破綻で多くのオーナーが被害を受けました。マスターリースの安心感は、管理会社の信用力に依存していることを忘れないでください。

不動産クラファンの案件を選ぶ際は、契約相手(管理会社)の実績や財務状況もチェックしておきたいところですね。

4. 入居者情報が見えにくい。マスターリース契約では、入居者と直接契約するのは管理会社です。「どんな入居者が住んでいるか」「いつ退去するか」といった情報がオーナーに伝わりにくくなるでしょう。

不動産クラファンの投資家にとっても、物件の運営状況が見えにくくなるデメリットがあります。運営報告が充実しているサービスを選ぶことで、この問題は軽減できますね。

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マスターリースとサブリースの違いは?

マスターリースとサブリースの違いは?
マスターリースとサブリースの違いは?

「マスターリース」と「サブリース」は混同されがちですが、厳密には少し違います。

用語 意味
マスターリース 物件を一括借り上げる「原賃貸借契約」のこと
サブリース 借り上げた物件を第三者に転貸する「転貸借」のこと

つまり、マスターリースとサブリースはセットで使われることが多いです。不動産業界では両方をまとめて「サブリース」と呼ぶことも多いので、実務上は同じ意味で使われていると考えて問題ないでしょう。

不動産クラファンでマスターリース案件を選ぶポイント

不動産クラファンでマスターリース案件を選ぶポイント
不動産クラファンでマスターリース案件を選ぶポイント

マスターリースがある不動産クラファン案件を選ぶ際のチェックポイントをまとめます。

チェックポイント①:マスターリース契約の相手方

マスターリース契約の相手が誰かを確認しましょう。

  • 事業者グループ会社:関係性が近いため柔軟に対応できる反面、利益相反(自社の得のために投資家に損をさせること)の懸念も
  • 外部の管理会社:独立性はあるが、会社の信用力をチェック
  • テナント企業:商業施設などでは入居企業がマスターリースするケースも

チェックポイント②:契約期間と運用期間の関係

マスターリース契約の期間が、ファンドの運用期間をカバーしているか確認してみてください。

たとえば、ファンド運用期間が3年なのに、マスターリース契約が2年で切れるケースでは、運用途中で賃料条件が変わる可能性がありますね。

チェックポイント③:賃料改定条項の有無

「賃料は固定か」「改定条項があるか」を確認しましょう。

多くの案件詳細ページでは、「マスターリース契約あり」としか書かれていないことも。詳細が気になる場合は、サービスの問い合わせ窓口で確認するのもひとつの方法ですね。

チェックポイント④:マスターリースなしの案件との比較

マスターリースがない案件と比較して、想定利回りにどれくらい差があるか見てみましょう。

同じ物件タイプ・エリアで、マスターリースありの案件が「年利4%」、なしの案件が「年利5%」だとします。この1%の差が「空室リスクを取る対価」として妥当かどうかを判断する材料になるでしょう。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)
よくある質問(FAQ)

Q. マスターリースがあれば空室リスクはゼロですか?

ゼロではありません。マスターリース契約でも、賃料減額請求や契約解除のリスクがあります。

また、管理会社が倒産すれば契約は終了するでしょう。「リスクが軽減される」とは言えますが、「ゼロになる」わけではありません。

Q. 不動産クラファンでマスターリースは必須ですか?

必須ではありません。案件によってはマスターリースなしのものもあります。

一般的に、マスターリースありの方が配当は安定しやすいですが、その分利回りが低めになる傾向がありますね。

Q. マスターリースの契約期間はどれくらいですか?

2〜10年程度が一般的です。不動産クラファンでは、ファンドの運用期間に合わせて設定されることが多いでしょう。案件ごとに異なるため詳細を確認してみてください。

Q. マスターリース契約の相手が事業者グループ会社だと問題ありますか?

一概に問題とは言えませんが、利益相反の可能性は意識しておくべきです。

たとえば、グループ内で不利な条件のマスターリース契約を結ぶことも理論上は可能でしょう。事業者の信頼性や情報開示の姿勢を確認することが大切ですね。

Q. キャピタルゲイン型案件でもマスターリースは重要ですか?

重要度は下がります。キャピタルゲイン型(売却益で利益を得る方式)は売却益が主な収益源なので、運用中の賃料収入より出口(売却)戦略の方が重要です。

ただし、運用期間中の収支安定という意味では、マスターリースがあった方が安心ではあるでしょう。

まとめ:マスターリースの特性を理解して投資判断に活かそう

まとめ:マスターリースの特性を理解して投資判断に活かそう
まとめ:マスターリースの特性を理解して投資判断に活かそう

マスターリース(一括借り上げ)について解説しました。

この記事のポイント:

  • マスターリース=物件を一括借り上げ、入居者に転貸する契約
  • 空室リスクの軽減、管理の手間削減、収支計画の安定化がメリット
  • 賃料が割安になる、賃料減額リスク、管理会社倒産リスクがデメリット
  • 「保証」を鵜呑みにせず、契約条件や管理会社の信用力を確認
  • 不動産クラファンでは配当安定のためマスターリース案件が多い

マスターリースは便利な仕組みですが、万能ではありません。「何が保証されていて、何がリスクとして残るのか」を理解した上で、投資判断に活かしてみてください。

不動産クラファンのリスク全般については「不動産クラファンのリスクと対策」で、その他の用語は「不動産クラファン用語集」で確認できます。

※本記事は情報提供を目的としており、投資の助言や推奨を行うものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。

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よくある質問

Q.マスターリースがあれば空室リスクはゼロですか?
A.

ゼロではありません。マスターリース契約でも、賃料減額請求や契約解除のリスクがあります。また、管理会社が倒産すれば契約は終了します。「リスクが軽減される」とは言えますが、「ゼロになる」わけではありません。

Q.不動産クラファンでマスターリースは必須ですか?
A.

必須ではありません。案件によってはマスターリースなしのものもあります。一般的に、マスターリースありの方が配当は安定しやすいですが、その分利回りが低めになる傾向があります。

Q.マスターリースの契約期間はどれくらいですか?
A.

2〜10年程度が一般的です。不動産クラファンでは、ファンドの運用期間に合わせて設定されることが多いですが、案件ごとに異なるため詳細を確認しましょう。

Q.マスターリース契約の相手が事業者グループ会社だと問題ありますか?
A.

一概に問題とは言えませんが、利益相反の可能性は意識しておくべきです。例えば、グループ内で不利な条件のマスターリース契約を結ぶことも理論上は可能です。事業者の信頼性や情報開示の姿勢を確認することが大切です。

Q.キャピタルゲイン型案件でもマスターリースは重要ですか?
A.

重要度は下がります。キャピタルゲイン型は売却益が主な収益源なので、運用中の賃料収入より出口(売却)戦略の方が重要です。ただし、運用期間中の収支安定という意味では、マスターリースがあった方が安心ではあります。

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