「不動産クラファンで運用中のお金、自分に何かあったらどうなるんだろう?」——そう考えたことがある方は意外と多いのではないでしょうか。不動産クラウドファンディング(不動産クラファン)の出資持分は、相続や贈与の対象になります。この記事では、あなたのケースで何をすべきかを判断できるよう整理しました。
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あなたに該当するケースを確認しよう
不動産クラファンの資産が相続・贈与でどう扱われるかは、投資の形態と受け取る側の状況で変わります。まずは以下のテーブルで自分のケースを確認してみてください。
| あなたの状況 | 税の種類 | 評価方法 | やるべきこと |
|---|---|---|---|
| 匿名組合型を保有中に相続が発生 | 相続税 | 出資残額(時価評価) | 運営会社に残高証明を依頼 |
| 任意組合型を保有中に相続が発生 | 相続税 | 不動産持分の評価額 | 路線価または固定資産税評価額を確認 |
| 子どもや配偶者に出資持分を贈与したい | 贈与税 | 出資残額(時価評価) | 年間110万円の基礎控除を活用 |
| 運用終了後に現金で相続が発生 | 相続税 | 現金額そのまま | 通常の預貯金と同じ扱い |
たとえるなら、匿名組合型(お金を出して利益を分けてもらう契約方式)は「銀行預金に近い感覚」で評価されます。出資した金額がほぼそのまま相続財産に。一方、任意組合型(投資家が不動産の持分を直接所有する契約方式)は「不動産そのもの」として評価されるので、相続税の計算方法が異なるんです。
Q. 運用中のファンドでも相続できるの?
A. はい、できます。ただしサービスによって手続きが異なります。
多くのサービスでは、相続人が運営会社に連絡し、必要書類(戸籍謄本、遺産分割協議書など)を提出することで出資持分の名義変更ができます。運用途中での解約・換金を求められるケースもあるので、事前に各サービスの利用規約を確認しておくのがおすすめです。
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ケース別の詳細解説
ケースA:匿名組合型の出資持分を相続する場合
不動産クラファンで最も多いのがこのパターンです。匿名組合型の出資持分は、相続発生日時点の出資残額で評価されます。
具体的には、当初の出資金額から、すでに分配された元本償還分を差し引いた残額ですね。含み益や含み損は原則として考慮されません。HEDGE GUIDEの解説でも「匿名組合の出資持分は時価=出資残額として評価される」と紹介されています。
ここで見落としがちなのが、未収の分配金。相続発生日までに受け取る権利が確定している分配金は、別途「未収入金」として相続財産に含まれます。分配金の明細をしっかり確認しましょう。
ケースB:任意組合型の不動産持分を相続する場合
任意組合型は仕組みが少し異なります。投資家が不動産の持分を直接保有しているため、相続税の評価は不動産評価のルールに従います。
つまり、路線価方式(土地)や固定資産税評価額(建物)で計算するということ。実際の市場価格より低い評価額になることが多く、結果として相続税が安くなるケースがあります。これが「任意組合型は相続対策に有利」と言われる理由です。
ただし注意点も。任意組合型を提供しているサービスは限られていて、最低投資額も100万円以上と高めの場合が多いでしょう。相続対策の目的だけで選ぶのではなく、投資としての妥当性もあわせて判断してください。
ケースC:出資持分を生前に贈与する場合
「元気なうちに子どもに譲りたい」という方もいるかもしれません。出資持分の贈与は可能ですが、贈与税の基礎控除(年間110万円)の範囲内に収まるかがポイントです。
出資残額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。超える場合は贈与税の申告が必要になります。たとえば200万円分の出資持分を贈与すると、110万円を差し引いた90万円に対して贈与税がかかる計算ですね。
難しく感じるかもしれませんが、仕組みは銀行預金を贈与する場合とほぼ同じ。違うのは、運営会社への名義変更手続きが必要になる点くらいです。
実際の計算例で理解する
数字で見てみましょう。60代のAさん(配偶者あり、子ども2人)が、不動産クラファンに計500万円投資しているケースです。
| 投資先 | タイプ | 出資額 | 相続税評価額 |
|---|---|---|---|
| COZUCHI | 匿名組合型 | 200万円 | 200万円(出資残額) |
| CREAL | 匿名組合型 | 150万円 | 150万円(出資残額) |
| 任意組合型サービス | 任意組合型 | 150万円 | 約105万円(路線価評価) |
| 合計 | 500万円 | 約455万円 |
任意組合型の部分だけ、実際の出資額(150万円)より評価額が低くなっていますね。約30%の圧縮効果です。不動産を直接保有している場合とほぼ同じメリットが得られる、という仕組みです。
もちろん、Aさんの相続財産全体(自宅、預貯金、保険金など)と合算した上で相続税がかかるかどうかが決まります。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えなければ相続税はかかりません。Aさんの場合は3,000万円+600万円×3人=4,800万円が基礎控除額です。
Q. 不動産クラファンの出資持分で相続税の節税はできる?
A. 任意組合型に限っては、一定の節税効果が期待できます。路線価評価による圧縮が効くためです。
ただし、匿名組合型は出資残額がそのまま評価されるので、節税効果はほとんどありません。「相続対策には任意組合型」「手軽に投資するなら匿名組合型」と目的に応じて使い分けるのがよいでしょう。
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見落としやすい4つの注意点
1. サービスごとに相続手続きが異なる
相続手続きの方法は各サービスの利用規約で定められています。名義変更が可能なサービスもあれば、解約・換金してから相続するルールのサービスも。投資を始める前に「相続が発生した場合の手続き」を確認しておくと安心です。
2. 未分配の利益を忘れがち
相続発生日までに確定している未収分配金は、出資持分とは別に相続財産として申告する必要があります。「出資額だけ申告すればいい」と勘違いしやすいポイントですので注意してください。
3. 運用途中の解約で損失が出る場合
サービスによっては、相続時に中途解約が必要になり、元本割れ(投資したお金が全額戻らないこと)のリスクがあります。とはいえ、多くのサービスでは運用終了まで待ってから精算する対応も可能です。運営会社との相談が大切ですね。
4. 贈与の場合は名義変更の可否を事前確認
生前贈与の場合、そもそもサービス側が出資持分の名義変更に対応しているかを確認する必要があります。対応していない場合は、運用終了後に現金で贈与する方法が現実的でしょう。
困ったときの相談先
相続・贈与の税金は個人の状況によって大きく変わるため、専門家の力を借りるのが確実です。
- 税理士 — 相続税の試算、申告書の作成、節税策の提案。不動産クラファンに詳しい税理士がベストだが、一般的な相続に強い税理士でも十分対応可能
- 各サービスの問い合わせ窓口 — 出資持分の残高証明や相続手続きの流れを確認するならまずここ
- 税務署の無料相談 — 確定申告期間中の税務署相談のほか、電話相談(タックスアンサー)も活用できる
- 弁護士 — 遺産分割で争いがある場合は法律の専門家に相談を
ここがポイントですが、相続の準備は「まだ早い」と思うくらいのタイミングで始めるのがちょうどいい。投資先の一覧表を作っておく、利用規約の相続条項に目を通しておく——それだけでも、いざというときの負担がまったく違います。
Q. 不動産クラファンの投資情報を家族に共有しておくべき?
A. ぜひ共有しておきましょう。「どのサービスにいくら投資しているか」の一覧表があるだけで、万が一のときに遺族が取るべき行動が明確になります。
ログインIDやパスワードまで共有する必要はありませんが、サービス名・投資額・運営会社の連絡先くらいはメモに残しておくと親切ですね。エンディングノートに記載している方もいるようです。
※本記事は情報提供を目的としており、税務・法務の助言を行うものではありません。具体的な判断は税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。
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