税金・法律

損益通算と損失繰越|他の所得と相殺できる?

不動産クラウドファンディングの損失は損益通算できるのか解説。雑所得の制約、繰越控除の可否、ケース別の通算可否と損失リスクを減らす方法も紹介します。

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損益通算と損失繰越|他の所得と相殺できる?

不動産クラファン損失が出たら、株の利益と相殺できる?」「来年に繰り越せないの?」。結論から言うと、不動産クラウドファンディング(不動産クラファン)の損失は、損益通算も繰越控除もできません。ただし、雑所得同士なら通算可能です。あなたのケースに当てはまるパターンを確認していきましょう。読了目安: 7分

※この記事は一般的な税務情報の提供を目的としています。個別の税務判断は税理士など専門家にご相談ください。

あなたの損失はどのケースに該当する?

あなたの損失はどのケースに該当する?
あなたの損失はどのケースに該当する?

損益通算(ある所得の損失を別の所得の利益から差し引くこと)は、すべての所得で使えるわけではありません。不動産クラファンの分配金(投資の利益として受け取るお金)は「雑所得」に分類されるため、使える場面が限られます。

以下の表であなたのケースを確認してみてください。

損失の状況 該当ケース 通算できる?
クラファンAで利益、クラファンBで損失 ケースA 通算可能(雑所得同士)
クラファンで損失、暗号資産・副業で利益 ケースB 通算可能(雑所得同士)
クラファンで損失、株式投資やFXで利益 ケースC 通算不可(課税区分が異なる)
クラファンで損失、給与所得のみ ケースD 通算不可(翌年への繰越も不可)

たとえるなら、所得の種類は「別々の財布」のようなもの。雑所得という同じ財布の中では損益を合算できますが、株式投資や給与所得など別の財布とは合算できない仕組みです。

Q. なぜ「不動産」なのに損益通算できないの?

A. 不動産クラファンでは物件を直接所有しません。多くのサービスは匿名組合契約(投資家がお金を出し、運営会社が運用する契約)を採用しており、投資家は出資者の立場。そのため税法上は「不動産所得」ではなく「雑所得」に分類されるのです。

実物の不動産を持っていれば「不動産所得」として損益通算が可能ですが、クラファンとは扱いが違うんですね。

Q. 繰越控除(翌年以降への損失の持ち越し)はできる?

A. できません。株式投資なら損失を最長3年間繰り越せますが、雑所得にはこの制度が適用されません。今年出た損失は、その年限りで終わりです。

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ケース別の詳細解説

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ケースA・B: 雑所得同士なら通算できる

同じ「雑所得」に分類される収入同士であれば、損益を合算できます。具体例を見てみましょう。

  • COZUCHIで10万円の利益、利回りくんで5万円の損失 → 差額5万円が課税対象
  • 不動産クラファンで20万円の利益、暗号資産で15万円の損失 → 差額5万円が課税対象
  • 不動産クラファンで10万円の利益、副業(雑所得扱い)で3万円の損失 → 差額7万円が課税対象

ここがポイントです。複数のクラファンサービスを使っている方は、全サービスの損益を合算して申告できます。ある程度のリスクヘッジになりますね。

ただし、公的年金等の雑所得とその他の雑所得は別枠になるケースもあるので、複雑な場合は税理士に相談してください。

ケースC: 株式投資やFXとは通算できない

株式投資で50万円の利益、不動産クラファンで30万円の損失。合計では20万円の利益に見えますが、税務上は相殺できません。

  • 株式投資の利益50万円 → 約20%の税金(申告分離課税)
  • 不動産クラファンの損失30万円 → 税務上なかったことに

正直、これはかなり厳しいルールです。「合計ではプラスなのに50万円分の税金を払う」ことになってしまいます。株式投資やFXは申告分離課税、不動産クラファンは総合課税(雑所得)と、課税の仕組みが根本的に異なるためです。

ケースD: 給与所得との通算もできない

会社員の給与所得と不動産クラファンの損失も通算できません。しかも翌年への繰越もできないため、損失はその年限り。余裕資金で投資することの大切さを改めて感じる制度設計です。

実際の計算例で理解する

実際の計算例で理解する
実際の計算例で理解する

年収500万円の会社員Aさんが、不動産クラファン3つのサービスに分散投資したケースで見てみましょう。

Aさんの投資結果は次のとおり。サービスXで分配金12万円、サービスYで分配金5万円、サービスZで元本割れにより△3万円の損失。雑所得の合計は12万 + 5万 − 3万 = 14万円です。

この14万円が20万円以下なので、Aさんは確定申告不要です。ただし、住民税の申告は必要。分配金からは20.42%が源泉徴収(税金を自動的に差し引くこと)されているので、確定申告すれば還付を受けられる可能性もあります。

もしAさんが別に株式投資で20万円の損失を出していても、それと不動産クラファンの14万円の利益を相殺できません。所得区分が違うからです。

Q. 複数のクラファンサービスの損益はどう計算する?

A. 全サービスの分配金と損失を合算します。各サービスから届く年間取引報告書をすべて保管し、合計額で判断してください。確定申告する場合は、すべてまとめて雑所得として申告します。

Q. 元本割れが確定した場合、何かできることは?

A. 同年に他の雑所得(別のクラファンの利益、暗号資産の利益など)があれば通算可能です。なければ、残念ながら税務上のメリットを得る方法はありません。

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見落としがちな3つの落とし穴

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損益通算・繰越控除ができないからこそ、知っておきたい注意点があります。

1つ目は「そもそも損失を出さない」意識です。株式投資なら損失を繰り越して翌年の利益と相殺できますが、不動産クラファンではできません。いわば「一発勝負」。劣後出資比率(事業者が負担するリスクの割合)が20%以上のファンドを選ぶ、複数サービスに分散するなど、リスク管理がより重要になります。

2つ目は「所得区分の勘違い」です。不動産クラファンは「不動産」という名前がついていますが、税法上は「不動産所得」ではなく「雑所得」。実物不動産の賃貸収入とは扱いが違います。確定申告で間違えると修正申告が必要になるので気をつけましょう。

3つ目は「確定申告とふるさと納税の関係」です。雑所得の申告のために確定申告を行うと、ふるさと納税のワンストップ特例が無効になります。確定申告の中でふるさと納税の寄附金控除もまとめて申告してくださいね。

困ったときの相談先

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損益通算の可否や確定申告の判断で迷ったら、専門家に相談するのが安心です。

無料の相談先としては、税務署の電話相談センター(全国共通・無料)が使えます。確定申告の時期には各地で無料相談会も開催されるので活用してみてください。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」なら、画面の指示に従うだけで申告書を作成できます。

有料の相談先としては、税理士への個別相談が確実です。損失が大きい場合や複数の所得区分にまたがる場合は、専門家に任せたほうが安心でしょう。税理士ドットコムなどのマッチングサービスでは、初回無料で相談できるケースもあります。

税金の全体像は「不動産クラファンの税金・確定申告完全ガイド」を、リスク対策は「不動産クラファンのリスクと対策」を参考にしてください。

※この記事は一般的な税務情報の提供を目的としており、税務上の助言を行うものではありません。
※個別の税務判断については、税理士など専門家にご相談ください。
※税法や制度は変更される場合があります。最新情報は国税庁のWebサイトでご確認ください。

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よくある質問

Q.なぜ「不動産」クラファンなのに損益通算できないのですか?
A.

不動産クラファンでは物件を直接所有しません。匿名組合契約により投資家は出資者の立場となるため、税法上は「不動産所得」ではなく「雑所得」に分類されます。雑所得は損益通算の対象外です。

Q.繰越控除(翌年以降への損失の持ち越し)はできますか?
A.

できません。株式投資なら損失を最長3年間繰り越せますが、雑所得にはこの制度が適用されません。今年出た損失は、その年限りで終わりです。

Q.複数のクラファンサービスの損益はどう計算しますか?
A.

全サービスの分配金と損失を合算して計算します。各サービスから届く年間取引報告書をすべて保管し、合計額で判断してください。雑所得同士なので通算可能です。

Q.元本割れが確定した場合、何かできることはありますか?
A.

同年に他の雑所得(別のクラファンの利益、暗号資産の利益など)があれば通算可能です。なければ、残念ながら税務上のメリットを得る方法はありません。翌年への繰越もできません。

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本記事は情報提供を目的としており、投資の助言や推奨を行うものではありません。 投資判断は自己責任で行ってください。 掲載情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。