不動産クラウドファンディング(不動産クラファン)には「エクイティ型」と「デット型」の2種類があります。一言でいえば「出資か融資か」の違いですが、リターンの仕組みやリスクが異なります。この記事では、両者の違いと選び方のポイントを解説します。
エクイティ型とデット型とは?【結論ファースト】
エクイティ型は、投資家が事業者に「出資」し、不動産から得られる利益の分配を受ける形態です。イメージとしては「株主」に近い立場ですね。多くの不動産クラファンサービスがこの形態を採用しています。
デット型は、投資家が事業者に「融資」し、利息の支払いを受ける形態です。こちらは「銀行」に近い立場と考えるとわかりやすいでしょう。「貸付型クラウドファンディング」や「ソーシャルレンディング(個人が間接的にお金を貸す仕組み)」とも呼ばれます。
| 区分 | 投資家の立場 | リターンの源泉 |
|---|---|---|
| エクイティ型 | 出資者(株主のような立場) | 不動産の賃料収入・売却益 |
| デット型 | 債権者(銀行のような立場) | 融資に対する利息 |
1万円から始める不動産投資
口コミ・利回り・安全性で30社以上を徹底比較。あなたに合うサービスが見つかります
エクイティ型の特徴
仕組み
エクイティ型では、投資家は匿名組合契約(お金を出して、利益を分けてもらう契約方式)を通じて事業者に出資します。事業者はそのお金で不動産を取得・運用し、発生した利益を投資家に分配するのです。
運用終了時には出資金が返還されます。投資家は不動産の「持分」ではなく、「利益分配請求権」を持つ形ですね。
リターンの源泉
エクイティ型のリターンは、主に以下の2つから生まれます。
- インカムゲイン(賃料収入から得られる定期的な利益):不動産の賃料収入からの分配
- キャピタルゲイン(物件売却時の値上がり益):不動産の売却益からの分配
物件が想定以上の価格で売れれば、追加のリターンが得られるケースも。一方、売却価格が想定を下回ると、元本割れ(投資したお金の一部が戻ってこないこと)のリスクがあります。
リスク
エクイティ型の主なリスクは以下のとおりです。
- 不動産価値の下落リスク:売却価格が想定を下回る可能性
- 空室リスク:賃料収入が減少する可能性
- 事業者の信用リスク:運営会社の経営悪化
ただし、多くのサービスでは優先劣後方式(損が出たら運営会社が先にかぶる仕組み)を採用しています。たとえるなら、投資家が守られる「保険」のようなものですね。
向いている人
- 不動産投資に興味がある人
- 物件情報を確認しながら投資したい人
- 優先劣後方式による元本保護を重視する人
- 中程度のリスク・リターンを求める人
デット型の特徴
仕組み
デット型では、投資家はクラウドファンディング事業者を通じて、不動産事業者などにお金を「貸す」形になります。借り手は受け取った資金で不動産を取得・開発し、利息を支払います。
投資家の立場は「債権者」です。融資契約にもとづいて、約束された利息を受け取る仕組みになっています。
リターンの源泉
デット型のリターンは、融資に対する利息収入です。不動産自体の価格変動には直接連動しません。
想定利回り(運営会社が「これくらい儲かる」と見込んだ割合)は契約時点で決まっています。予定どおり返済が行われれば、固定的なリターンが得られるでしょう。
リスク
デット型の主なリスクは以下のとおりです。
- 貸し倒れリスク:借り手が返済不能になるリスク
- 事業者の信用リスク:クラファン事業者自体の経営悪化
- 担保価値の下落リスク:担保不動産の価値が下がるリスク
リアマネの報道によると、過去にはソーシャルレンディング業界で延滞やデフォルト(事業者がお金を返せなくなること)が起きた事例もあります。高利回りを謳う案件には特に注意が必要ですね。
向いている人
- 固定的なリターンを求める人
- 不動産の詳細情報より利回りを重視する人
- 多くの案件に分散投資したい人
- 貸付という仕組みに抵抗がない人
エクイティ型 vs デット型|比較表
少し複雑に感じるかもしれませんが、ポイントはシンプルです。両者の違いを比較表で整理してみましょう。
どのサービスを選べばいい?
投資スタイルに合ったサービスを1分で診断
不動産クラファンではエクイティ型が主流
なぜエクイティ型が多いのか
「不動産クラウドファンディング」として知られるサービスの多くは、エクイティ型を採用しています。理由は、不動産特定共同事業法(不動産クラファン事業者に必要な免許制度を定めた法律)にもとづく許可を取得しているからですね。
この法律は、複数の投資家から出資を募って不動産に投資する事業を規制しています。そのため「出資」という形態が前提となるのです。
エクイティ型のメリット
投資家にとってのエクイティ型のメリットは以下のとおりです。
- 物件情報が明確:どの不動産に投資するかわかる
- 優先劣後方式:元本保護の仕組みがある
- 不動産投資の感覚:間接的に不動産オーナー気分を味わえる
- キャピタルゲインの可能性:売却益が出れば追加リターンも
デット型サービスの例
デット型のサービスとしては、「Funds(ファンズ)」が代表的です。Fundsは上場企業グループへの貸付が中心で、不動産以外の事業者への融資案件もあります。
なお、かつて「みんなのクレジット」「ラッキーバンク」など問題を起こした事業者もありました。デット型を選ぶ際は、事業者の信頼性を十分に確認してくださいね。
エクイティ型とデット型の選び方
初心者におすすめはエクイティ型
不動産クラファン初心者には、エクイティ型がおすすめです。理由は以下のとおり。
- 物件情報が明確で、投資対象がわかりやすい
- 優先劣後方式で元本保護の仕組みがある
- 大手サービス(CREAL、COZUCHIなど)はエクイティ型
- 不動産特定共同事業法の規制下で投資家保護がある
両者を組み合わせるのもあり
ここまで読んだ方なら、両者の違いがつかめてきたのではないでしょうか。投資経験がある人は、エクイティ型とデット型を組み合わせたポートフォリオ(投資先の組み合わせ全体)も検討してみてください。
- 安定重視:デット型で固定リターンを確保
- 成長重視:エクイティ型でキャピタルゲインを狙う
ただし、デット型は過去に問題を起こした事業者もあります。事業者選びはより慎重に行いましょう。
確認すべきポイント
どちらの型を選ぶにしても、以下のポイントは必ず確認してください。
- 運営会社の信頼性(上場企業か、実績はどうか)
- リスク対策の有無(優先劣後方式、担保設定など)
- 情報開示の充実度(物件情報、財務情報など)
- 過去のトラブル有無(延滞、デフォルトなど)
よくある質問(FAQ)
Q. エクイティ型とデット型、どちらがリスクが低いですか?
一概には言えません。エクイティ型は優先劣後方式で元本保護がある一方、不動産価格下落の影響を受けます。デット型は固定金利で安定しますが、貸し倒れリスクがあるのです。どちらもリスクゼロではないことを理解しましょう。
Q. デット型は「ソーシャルレンディング」と同じですか?
「貸付型クラウドファンディング」「ソーシャルレンディング」「デット型」は、ほぼ同じ意味で使われます。投資家がお金を貸し、利息を受け取る仕組みです。不動産以外の事業への貸付もあります。
Q. エクイティ型で元本割れする可能性はありますか?
あります。優先劣後方式があっても、劣後出資比率(損が出たとき運営会社が何%かぶるかの割合)を超える損失が発生すれば元本割れになります。「元本保護」と「元本保証」は異なるので注意してください。
Q. デット型の高利回り案件は安全ですか?
高利回りには相応のリスクが伴います。過去には高利回りを謳うソーシャルレンディングで延滞やデフォルトが発生した事例も。利回りだけで判断せず、事業者の信頼性を十分に確認しましょう。
Q. 税金の扱いに違いはありますか?
どちらも分配金(投資の利益として定期的に受け取るお金)は「雑所得」として課税されます。給与所得と合算され、累進税率(所得が多いほど税率が上がる仕組み、5〜45%)が適用されるのです。
まとめ:エクイティ型とデット型、自分に合ったタイプを選ぼう
エクイティ型とデット型は、それぞれ特徴が異なります。
この記事のポイント。
- エクイティ型は「出資」、デット型は「融資」
- エクイティ型は不動産の賃料・売却益からリターン
- デット型は融資に対する利息がリターン
- 不動産クラファンではエクイティ型が主流
- 初心者にはエクイティ型がおすすめ(物件情報が明確、優先劣後方式あり)
- どちらもリスクゼロではない。事業者の信頼性を確認
自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切なタイプを選びましょう。まずはエクイティ型の代表的なサービスから始めてみるのがおすすめです。
不動産クラファンの基本については「不動産クラウドファンディングとは?仕組み・始め方完全ガイド」で詳しく解説しています。匿名組合契約については「匿名組合契約とは?不動産クラファンの仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の助言や推奨を行うものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。
どのサービスを選べばいい?
投資スタイルに合ったサービスを1分で診断
